1枚目のスケッチは、葛藤でしかなかった。詳細を注意深く描き、正確に彼女という人物を映し出そうと努力した。
あなたは、自分自身に問いかける。「何が欠けているのだろう?」
この角度からのバランスがおかしいのかな? 違う角度から眺めた方がよいのかな?
2枚目のスケッチでは、更に細かく光と影を加えていき、紙の上にモデルの女性の感情的な部分も映し出されるように試みた。
「うううんん。」 考え込む。「何がいったい欠けているのだろう?」
実際には、あなたのスケッチには、どんどん彼女という人物像が露にされてきていたが、それでも、あなたはなぜだか満足できなかった。
「最初になぜ私は、彼女に惹かれていたのだろう?」
表面上に視えている彼女という人物像と、最初に彼女を見かけたときに惹かれた要素になにかギャップのようなものを感じた。
「何が欠けているのだろう?」
今度は、同じ2枚目のスケッチで、影の部分を消してみたり、描き直したり、色んな技術的な方法を試してみる。試しては消し、また試す。消す。
3枚目の紙を取り出す。「OK!今度は、できるだけシンプルに描きとってみよう。漫画っぽくしてみようか?」
集中するために一度目を閉じてみる。目の前の女性の感情を感じてみようと想像してみる。最初に彼女を見かけたときの印象を思い出してみる。この頃には、目の前の彼女のみに集中していて、あなたの頭の中はほぼ空っぽになり、まるであなたの手が独立した意志を持っているかのように、自分自身が何をしているかさえわからなくなるほど、無になっていた。
そうして数分が過ぎていった。もしかしたら、あなたにとってはそれ以上に長い時間に感じられたかもしれない。ふと何かがカチッときた。
絵を描き終えたのだ。3枚目のスケッチを描き終え、何かがあなたを満足させた。
何かがその絵の中に映し出されていた。
完成されたその絵は、とても抽象的な絵で、もし批評家が視たとしたら、「誰それ?」
なんて言うかもしれない。
モデルとして座っていた女性がふと立ち上がり、あなたの絵を見に来た。
「どうして私が感じていたことが分かったの?」
何かがあなたの絵の中に映し出されていた。
このストーリでの課題は
一人の人間を理解するのにどのくらい時間がかかるでしょうか?
言い換えるとすれば、
自分自身という一人の人間をどのくらい正確に理解できていますか?
‘Time Capsule’ タイムカプセル アートセラピー ワークショップ
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